「いのちをいただく」

絵本です。内田美智子さんという方の作品です。


食肉加工センターで働く坂本さん。

毎日牛を殺すことが仕事で、それが辛くていつかやめたいと思っています。


ある日、そのセンターに、牛と一緒に女の子がきます。

「みいちゃんごめんね、みいちゃんごめんね。。」


女の子のおじいちゃんは

「この子はみいちゃんと一緒に育ってきた。だけん、ずっとうちに置いとこうとおもっとった。

でも、みいちゃんば売らんと、お正月が来んとです。明日はよろしくお願いします」

と。


坂本さんは「もう仕事は辞めよう」と決意します。

明日も休もうと。


坂本さんが家に帰って、そのことを小学生の息子に話します。

息子は坂本さんに言います

「でも、やっぱりお父さんがしてやってよ。

心の無か人がやったら、牛が苦しむけん」


坂本さんは迷いながら仕事に行って

「みいちゃんごめんな。みいちゃんが肉にならんとみんなが困るけん」

みいちゃんは坂本さんに首をこすりつけてきました。

坂本さんが「じっとしとけよー。」と言います。

急所を外すと、牛は苦しむからです。

みいちゃんはじっと動かなくなります。

そして大きな涙がこぼれます。牛の涙を坂本さんは初めて見ました。


といったお話です。


切ないけど、大切な真実だなぁと思いました。


今満たされている生活は、いろいろなものの上に

立っているんだなあと思います。


坂本さん、この仕事、毎日辛かったんだろうなあ。

小学生の息子さん、まっすぐな心って人は本当は持ってるんだなあ。

みいちゃん。大事なお友達を失う辛さを心に持って生きていくんだろうなあ。

おじいちゃん、家族を守るために、孫の涙を見るのは辛いんだろうなあ。


知っている世界って本当に小さいと思った絵本でした。


今日もご飯をいただけたことに感謝して。

ごちそうさまでした。



ホスピスナースのカルテ

ホスピスナースです。 乳がんの診断を受けました。 変わりゆく心と体の変化を綴っていきます。

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